[2] 手袋考7「なぜ堅帽子を使うのか」

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櫻井孝
2016/10/14 23:24
根拠のない話ですが、むしろ鎌倉のころの古い時代のほうが強弓を引いていたのではないかと思います。その頃は馬に乗り、刀も槍も握るので、小笠原の一具懸けのような和帽子の手袋と思われますが、強弓を用いる人は膠などを用いて固める工夫もしていたかもしれません。
 四つ懸けは江戸初期の堂射の競い合いから発明されたが、角入り三つユガケは竹林坊の時代、あるいは日置弾正の時代に考案されたものではなかろうかと考えています。

 懸けの親指を抑える2指に力を籠めるときは離れに支障を生じるので、それに力を籠めないために、硬い角入りの帽子が必要になったと思います。弓力が強くとも、親指の帽子が硬く真っ直ぐなら、親指を矢筋方向に向けて、中指で親指の頭を廻して抑えれば、それほど力まずとも支えられます。これでなければ軽妙な離れは出ないはずです。

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