8-15 的付けは明確である
2004/06/15 火 00:00
櫻井 孝
逆に深すぎると満月(的が弓から全部出るときに矢が的心に向く)になります。しかし、これらの射手は的付けをその位置にするべきではなく、正しい物見を身に付けることが肝心です。"物見を動かしてみると弓と的の関係が変化する"ことは自分で確認できるので、試して覚えるべし。物見をいっぱいまで向ければ殆どの射手の的付けは半月に近くなるはずです。
2. 顔の広い人の的付けは、的が離れて満月になり、逆に細い人は闇夜となる。
これは骨格のせいなので、的付けをそれに合わせる必要があります。
3. 手幅の広い弓、あるいは太い籐を巻いた場合には闇夜になり、逆に細すぎる弓では満月となる。
4. 遠的の場合には近的よりも四分の一くらい的が弓から出てくる(満月に近くなる)、逆に巻きわらの場合には闇夜となる。
的の遠近による影響は、上記の頬付けから右目までの距離に対して、的から目までの距離(近的では28.0m、遠的では60m、巻きわらでは1.5m)と的から弓までの距離(50cm程度差し引いた距離)との比例計算となるので、弓の陰との幅が変化します。
以上のように、まずは胴造りの三重十文字、物見を正しくして十分に向けた会の射形を作ることが先決です。その上で先生に矢筋後方から矢が的心に向かう所を見て教えて頂き、そのとき的が矢摺り籐を透かして映るところを記憶することが必要です。
矢が前に飛ぶから後ろに的付けをして(闇夜にする)中てようとするのは正直なことではありません。このようにすると必ず押手が弱くなり、ますます前に矢が飛び、押手を打ち、顔を打ち、眼鏡まで飛ばすようになります。矢は絶えず的心に向かうように気を配り、前に飛べば押手が弱いためであることが自分で判るので、押手の働きを工夫するのが弓道の修行であり、上達の近道なのです。
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