8-13 心の動揺

2004/04/09 金 00:00
櫻井 孝



弓道八節のうちの六節まで整っていい形で収めてきても、離れの一瞬に早気、遅気、緩みなどのわずらいが起きてしまうことがあります。これはほとんどが、中てようと思う気持ちが先立って迷ってしまうためです。つまり、離れを急ぎすぎてしまうために、道に達しないものであり、放す心が出てしまうためです。

射も意識も乗ってきて、狙いがぴたっと付いたとき、よしこれで放して勝利を得ようとの中て気が出てしまい、心を動かすため中らなくなります。

心を不動にして左右釣り合い、胸に強みを含んだまま「只そのままに離れる」のがよいのです。会で五部の詰め合いが整い、胸の中筋を楔で割って、4箇所同時に離れるのが四部離れであり、詰めが充ちて、自(おのずから)満ちて離るるを本当の離れと知るべし。一瞬でも放つ意識が出るときは離れにあらず。

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